人気の米国債券ETF3種(AGG,BND,TLT)について検討してみる。

FIRE

私は全く債券に投資をしていません。FIREを前提とするとリスクの小ささも考慮するべきとは思いつつ、リターンが低いので敬遠してきました。

2025年3月21日時点で米国10年債利回りは、4.24%と高い水準を示しています。これだけ利回りが良いので、私だったらどれに投資するかを想像しながら検討してみました。

AGG

AGGは、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合指数に連動する投資成果を出すように設計されています。ブラックロックの「iシェアーズ」シリーズです。

30年の平均リターン4.2%/年で、リスクは4.1%です。2025年3月24日時点で、株価98.74ドル、分配金利回り3.72%、信託報酬は、0.03%/年です。

投資目的の3つのポイントは以下です。

1.米国の投資適格債に幅広く投資します。

2.低コストで分散投資

3.安定性およびインカム獲得

AGG 業種別投資内訳

業種別投資内訳は、米国政府44%、モーゲージ・パススルー証券25%、資本財・サービス14%、金融機関8%の4項目で90%を占めます。

モゲージ・パススルー証券とは、金融機関が貸し出した住宅ローンをプールして証券化したものです。プールした住宅ローンを政府系金融機関に売り渡し、政府系金融機関が保証して証券を発行する。政府系の機関であるジニーメイ(連邦政府抵当金庫)、ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)、フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)により発行されている。

AGG 信用格付け

信用格付けは、AAAが2%、AAが72%、Aが11%、BBBが12%となっています。

一般的に債務履行の確実性が高いものからAAA(トリプル・エー)、AA(ダブル・エー)、A(シングル・エー)、BBB(トリプル・ビー)・・・と続きます。一般に格付がBB(ダブル・ビー)以下の債券はジャンク債、ハイイールド債等と呼ばれ、相対的にリスクの高い債券と位置付けられています。

AGG 残存期間

残存期間の内訳は、7-10年27%、3-5年19%、5-7年12%、1-2年11%、2-3年10%、20年10%です。

引用:AGG iシェアーズ・コア米国総合債権市場ETF 2024年12月

https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/fact-sheet/agg-ishares-core-u-s-aggregate-bond-etf-fund-fact-sheet-ja-jp.pdf

BND

BNDは、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスに連動する投資成果を出すように設計されています。

30年の平均リターンは、4.2%/年でリスクは4.1%/年です。2025年3月24日時点の株価は73.32ドルで分配利回りは3.65%です。信託報酬は、0.03%/年です。

BND 業種別投資内訳

米国政府48%、政府住宅ローン担保19%、産業14%、金融8%の4項目で90%を占めます。

引用:バンガード社HPよりBND https://investor.vanguard.com/investment-products/etfs/profile/bnd#portfolio-composition

BND 信用格付け

信用格付けは、AAA3%、AA3%、AA(米国政府)68%、A12% BBB13%となっています。

BND 残存期間

残存期間の内訳は、1~5年44%、5~10年35%、25年以上7%、15~20年6%の4項目で約90%を占めます。

AGGとBNDは大差なし

AGGは、「ブルームバーグ・バークレイズ米国総合債券インデックス」に連動する指数です。BNDは、「ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックス」です。

BNDの方に浮動調整というワードがついていますが、これは、政府等が保有する債権をベンチマークの時価総額構成比率から控除した不動債券指数ということなのですが、ほぼ同じと考えていいそうです。

引用:米国総合債権ETF(AGG,BND)の10年分の利回り比較https://haitoukabu.com/letsetfus/aggbnd.html

少し古いですが、引用のデータによると2014年から2023年までの分配金の平均は、AGG2.43%/年、BND2.57%/年です。BNDの方が0.1%だけ高い結果になっています。

また、2014年~2023年の株価の値動きは、BNDがー0.67%、AGGがー0.52%となっていて、AGGが若干上回っています。

過去10年分の比較では、分配金の利回りと株価の動きは、大差ないと言えると思います。

TLT

TLTは、ブルームバーグ・バークレイズ米国国債20年超指数に連動する投資成果を目指す。

30年の平均リターン5.1%/年で、リスクは12.6%です。2025年3月25日時点の株価90.7ドル、分配金利回り4.14%、信託報酬は、0.15%/年です。

投資方針の3つのポイントは以下です。

1.米国の長期国債に投資をします。

2.米国の国債市場の特定セクターに的を絞った投資ができる

3.米国債への投資をカスタマイズするために活用できます。

TLT 業種別投資内訳

米国債券が100%です。

TLT 信用格付け

信用格付けは、AAが100%です。

引用:https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/fact-sheet/tlt-ishares-20-year-treasury-bond-etf-fund-fact-sheet-ja-jp.pdf

TLT 残存期間

残存期間の内訳は、20年以上が100%です。

まとめ

BNDとAGGは、ベンチマークがほぼ一緒なので、リスク・リターンはほぼ一緒でした。BNDとAGGは、国債や住宅ローン担保など投資構成が幅広い一方で、TLTは構成が米国国債の20年超のみです。BNDとAGGの30年平均リターンは、4.2%で平均リスクは4.1%に対してTLTは、30年平均リターン5.1%、平均リスク12.6%です。TLTの方がリターンが大きい分、リスクも大きいです。

TLTは、リターンは高いですが、リターンの割にリスクが高いです。リスクは、全世界株に近いレベルです。債権を守りの投資と考えるとAGGやBNDが適していると思いました。

※全世界株(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス ドルベース)は、平均リターン8.3%/年、平均リスク15.4%/年です。

AGGやBNDは、全世界株のリスクの1/4程度です。リスクに対するリターンもAGGやBNDの方が優れています。

10年、20年後を見据えて少しずつBNDを購入していこうかなと思いました。債権の割合は株に対して1/3程度の25%にしようと思っています。

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