2024年10月に日本証券業協会から出た「個人投資家の証券投資に関する意識調査」を読みました。
対象は、有価証券を保有する20歳以上の5,000名と非常に大規模な調査となっています。一般人全体ではなく、株や債券投資をしている人に対するアンケートです。
スライド54ページにもおよぶ膨大な資料ですが、投資家心理や平均保有期間などの面白いなと思ったところ抜粋しましたので、読んでいただけると嬉しいです。
3人に1人は、全く勉強せずに投資している

⇑証券投資に関する勉強をした経験(学校や職場以外)というアンケートがありました。回答の結果は、「投資の勉強をしたことはない」が33%でした。この調査は、有価証券を保有している人にアンケートを取っています。つまり、3人に1人は勉強もせずに投資をしているという驚愕の事実がありました。。。
ただ、インターネットやSNSで勉強した人が最も多い49.3%で次いで本の35.6%となっています。7割の人は、ネットや本、雑誌、テレビなどを通してしっかり勉強されています。
金融知識を学びたい媒体 1位 ネット・SNS

⇑さらに、金融経済を学ぶつもりはないという回答も17%もありました。確かにインデックス投資をしてほったらかしで長期的に持っておくという方針であれば、方針を決めた後は勉強も不要かもしれません。ただ、インデックス投資をすると決めるための知識として金融経済の知識は必要だと思いますので、いずれにしても学ぶ必要はあると思います。
これまでに教育を受けた場所、1位 職場

⇑これまでに教育を受けた場所は、どこですか?回答で一番多かったのは、職場41.4%でした。次いで証券会社38%・証券取引所や金融団体19.2%・学校14.9%・家庭10.8%と続きます。気になったのが、家庭が非常に低かったことです。一番、身近で信頼できるはずの家庭で金融教育がなされていないのは、少し暗い気持ちになります。
勉強することにおいての私のおススメは、インターネットよりも本です。なぜなら、知識を体系的に学べるからです。本を読むことで投資の根幹となる方針を決められると思います。自分の投資方針に適した銘柄などは、その時代ごとに異なってきますので、リアルタイムの情報を得られるインターネットの情報を使うべきと思います。
60~70歳が老後のNISAで生活資金を作っていた

NISAの利用目的で一番多い回答は、「老後の生活資金づくり」で63.4%でした。さらに、驚くことに既に老後に突入している60~70歳の方が約70%もありました。早くお金を使う段階であるはずなのに。。。子や孫に残す前提なのでしょうか?
無職・年金受給者が投資家の20%?

アンケート回答者の職業の2位が無職・年金のみで20.5%となっています。無職は、もしかしたら資産家が含まれているのかもしれないので年金受給者の割合は20.5%のうちどれくらいか分かりませんが、年金受給者の一定数が投資に回しています。という事は、退職金や年金も含めると、相当お金が余っているのかなと思いました。
3位が専業主婦・主夫が入っており、12.2%でした。これは、おそらく家計管理をやっている主婦・主夫が資産の運用もしているという事なのかなと思います。
株の平均保有期間は、44.8%が5年以上

株の平均保有期間については、44.8%が5年以上保有しています。全体の半分くらいの人が5年以上保有していました。また、前年の42.8%と比較しても保有期間が長くなっている傾向にもあります。保有期間は長くなっている傾向にあり、長期投資家としては、素晴らしいなと思いました。
投資方針は約50%が長期保有

投資方針についてのアンケートでは、「おおむね長期保有」が49.4%となっています。約半数が投資方針も長期保有と回答しています。先ほどご紹介した平均保有期間も約半数が5年以上となっており、投資方針と運用実績がある程度釣り合っていると思いました。
引用:個人投資家の証券投資に関する意識調査について2024年
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/2024kozintoushika.pdf
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