シーゲル本の長期投資で成功するための完全ガイドの第2章です。「リスク・リターン・資産配分」の要点まとめです。
長期では株式のリスクが債権より小さい理由について解説しています。
長期的には株式投資のリスク(振れ幅や不確実性)は低くなると思っていませんか?
私は、最近まで何となくそうと思っていましたが、半分だけ正解な気がしてきました。
この本では、米国株式や債券の200年以上の膨大なデータをもとに、資本市場と米国経済の興味深い歴史に触れながら、長期投資の有益性を証明しています。
この本は、膨大なデータを用いてよく分からないものを理解させてくれて、投資に対する怖さを取り除いてくれます。
がんばって働いて節約して、貯めたお金をよく分からないものに投資できないですよね。
少し詳しめに、紹介しようと思いますので、読んでいただけると嬉しいです。
リスクとリターンの測定
この世に絶対確実な投資などあるだろうか?気づいていると思うが、債券に投資することは、物価水準や購買力に投機していることに他ならない。 アーヴィングフィッシャーより
資産運用の基本はリスクとリターンです。投資対象のリスクとリターンを特定できれば、最良のポートフォリオを示せます。
過去のデータから未来を予測することは誰もできませんが、過去から学んで未来を理解しましょう。
保有期間とリスク
このグラフは、1802年~2006年の保有期間(1~30年)ごとに、株式、長・短期債の実質利回り(インフレ調整後の最高値と最低値)を示したものです。

保有期間が長くなるにつれて、株・債権ともに実質利回りの最高と最低の振れ幅が小さくなっていきます。さらに、株式は、債権と比べて振れ幅が劇的に小さくなります。
長期的には、リスク・リターンの振れ幅は平均的となり、小さくなります。
保有期間1年、2年目は、株が圧倒的に振れ幅が大きいですよね。しかし、5年を超えると最低利回りも、債権よりも株が優っています。
長期的には株式投資のリスクは低くなるのは本当?
長期的には株式投資のリスク(振れ幅や不確実性)は低くなると思っていませんか?
私は、最近まで何となくそうと思っていましたが、半分だけ正解な気がしてきました。
このグラフのように例えば、全米株100万円を最高の利回り10.6%で30年運用できたとします。そうすると30年後に約1600万円になります。
長期的に持つとこれくらいになるのでしょう。これは、たぶん正解。
ここからが、長期的にはリスクが小さくなると言うのは、半分不正解では?と思った部分です。
「今」は、「常に1年目の短期的振れ幅」なこと。
30年後の自分が持っている1600万円は、グラフで言う1年目の-38.6%から+66.6%の範囲で変化することになりますよね?
正確には、30年後の自分が持っている資産の振れ幅は、30年後の全米株のリスクリターンによると。
直近の全米株の振れ幅で見てみるとどうでしょうか?
例えば、2005年~2025年1月の20年間で全米株インデックスのVTIも、グラフと同じ10%/年の平均リターンを示しています。
1年後のリターンを予測してみます。VTIの標準偏差は、15.5%です。
1年後には1600万円は、67%の確率でー5.5%から+25.5%の範囲に収まります。つまり、1512万円~2008万円の範囲に収まります。
67%だとまあまあ外れそうですよね。もう少し確率を上げると
95%の確率で、ー21%から41%の範囲に収まります。1264万円~2256万円です。6割、約1000万円ブレる可能性があります。
直近は、株式相場が好調ということもあり、マイナス幅が小さくなっていますが。リスクはどの時代にも等しくかかってきます。このことは、注意したいですね。
まとめ
全米株の30年間の平均リターンは、年利2.6%~10.6%に収まってきました。
このグラフを見ると30年後の「今」のリスクリターンも2.6~10.6%/年になるように思っちゃいませんか?
私は、何となくそう認識していました。。。
「今」のリスクリターンは、その時代のリスクリターンが等しくかかります。2025年現在の全米株で言うと95%の確率でー21%から+41%もブレます。60%もブレるということですね。
コメント