この本では、米国株式や債券の200年以上の膨大なデータをもとに、資本市場と米国経済の興味深い歴史に触れながら、長期投資の有益性を証明しています。
株式投資を始めようと思っても、よく分からないし、損するかもしれないから怖いと思うのが自然です。
この本は、膨大なデータを用いてよく分からないものを理解させてくれて、投資に対する怖さを取り除いてくれます。
がんばって働いて節約して、貯めたお金をよく分からないものに投資できないですよね。
少し詳しめに、紹介しようと思いますので、読んでいただけると嬉しいです。
第1章 1802年以降の株式、債券の投資利回り
1801年に1ドル米株に投資したら? なんと12,700,000ドルになった!
過去を知らずして未来を語る術など、私は知らない ~パトリック・ヘンリー
未来を予測するために、過去を知りましょう!

1801年に米国株に投資した1ドルは、2006年末に1,270万ドルにまで達しています。
株式は、金や短・長期債と比べても圧倒的なパフォーマンスです。
200年という超長期で見れば、1929年の世界恐慌でさえも微々たる下落に思える程です。
株式のデータは、米国で上場している全銘柄の時価総額荷重平均した指数で、配当も含みます。(債権のデータは、米国の長・短期債の利回りを利用しています。)
株式のデータは、ざっくり言うと、アメリカのすべての企業に投資した指数です。現在でいうと、ほぼほぼバンガード社のVTIです。
ということで、2006年以降のリターンに関しては、VTIの株価を見てみました。
VTIは、2006年12月末 70ドル/株⇒ 2025年2月5日 300ドル/株となっており、年利10%にも及びます。これは次章での話にも上がりますが、2006年までのリターンよりさらに大きくなっています。
米株200年の実質トータルリターンは約7%/年!
実質トータルリターンとは、物価の上昇によって目減りした分を差し引いた後の価値です。
つまり、ハンバーガーが100円から200円にあがった時、株価が100円から200円に上がっても実質のリターンは0。という考え方です。

2006年までの過去200年にわたり、米国株式の実質トータルリターン(インフレ調整後)は、約6.8%でした。
短期では大きく見える1929年の世界恐慌の下落も、長期的にみれば微々たるものです。
200年かけて、株75万ドルに対して長期債1,083ドルとなり、実に700倍もの差がついています。安定的に上昇する株式の利回りに比べ、債券の利回りは見劣りします。
一方で、残念なことに通貨はインフレする分だけ下がっていき、1ドルの価値は94%下落して0.06ドルになりました。
長期で見れば、通貨の価値は減価していくことは明らかです。
このグラフを見るだけでも、この本を買う価値はあると思います。
15年もの間マイナスの期間もあった!?
200年の長期間では実質トータルリターンが年6.8%の米国株ですが、15年もの間マイナスの期間がありました。

それは、1966~81年の15年間で、平均ー0.4%のマイナスでした。
※ただ、この時期はインフレが7%に対して、株は6.6%の成長でしたので、結果-0.4%のマイナス成長ということになります。
半世紀前にはなりますが、15年間で実質リターンがなく、若干マイナスの時期もありました。
このことは、心に留めておくべきことだと思います。
米債券200年の実質トータルリターンは3.5%/年 米株の圧勝!
米債券の実質トータルリターンは、1802年~2006年の200年で3.5%/年でした。

米株のリターンが年6.8%だったのに対して、米債券は年3.5%で約半分となっており、米株より劣っています。
長期的に投資するのであれば、株式が圧倒的に有利ということになりますね。
過去100年間、全世界株も高いリターンを示してきた!
日本を含む16か国の株式は、長・短期債券より優れたリターンをしました。16か国全てにおいてです。

16か国のいずれの国でも、インフレ調整後の株式利回りは、債券よりも高いリターンを示しました。
全ての国ではありませんが、これだけの国の株が100年もの長い期間3~8%/年のリターンを出しています。
また、グラフの国で、eMaxis slimオールカントリーの約80%程度を占めています。(アメリカ64.2%、日本5%、イギリス3.3%、カナダ、2.7%、フランス2.6%、etc…)
全世界株式も長期的に成長してきた裏付けデータと言っても差し支えないでしょう。
なので、私は、全世界株に投資を続けようと思っています。
日本株も過去100年で平均4%のリターン!
日本株も年平均4.5%のリターンを示していて、長期的に見ればプラスでした。
さらに、2006年以降のTOPIXの値を気になったので調べました。
2007年2月27日に 1,823円で頭を打ったのち下落して、2018年ごろでやっと1800円台まで回復しました。10年間マイナスだったわけですから、恐ろしいですね。。。
しかし、その後も上昇を続けて2025年2月現在は、2,750円となっています。2007年~2025年2月までの日本株のリターンは、約4%/年でした。
2006年までの100年のリターンと2007年以降の約15年のリターンもだいたい同じ約4%/年なのは驚きでした。
まとめ
1801年に1ドルを米株に投資していたら、2006年末に12,700,000ドルになりました。
また、米国株の実質トータルリターンは、1801~2006年までの過去200年間で年利約7%でした。
米債権は、2006年までの200年間で年利3.5%でした。
これらのことから、長期的には債権よりも株式の方が圧倒的なパフォーマンスを示したことが分かります。
また、日本や英国・カナダなどを含む世界主要16か国でも、2006年までの100年間で債権よりも株の方が高いパフォーマンスを示しました。
この16か国でおおよそオルカンの80%以上を占めます。なので、オルカンに近似した全世界株式にも過去100年間に渡り、優れたリターンがありました。
なので、私は、米国株を中心とした全世界株式に投資を続けます。
私が持っているシーゲル本は、第4版の古いものです。最新の第6版は、2025年3月28日に発売するので、要チェックです。
引用:株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド 第4版 ジェレミー・シーゲル
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