貯蓄率と時間割引率の関係とは? 日本人は時間割引率が低いため、貯蓄率は高くなる!

FIRE

貯蓄率が高ければ、高いほどFIREに近づきます。所得を増やして、支出を抑えることで貯蓄できる割合は高くなり、貯蓄率は高くなります。

貯蓄率が高い人というのは、どういう人か?それは、今お金を使うことを少し我慢して、未来にお金や資産を残していく人でしょう。つまり、我慢強さや計画性を持ち合わせている人です。

この貯蓄率を高めるための土台として、人の心が重要です。まず、気持ちがないと行動には移せないですよね。

貯蓄率と人の心の関係を理解するために重要なことが、時間割引率という心の尺度です。時間割引率が低ければ低いほど貯蓄率を高める傾向にあります。

時間割引率とは?~貯蓄率を高めるメンタル~

では、時間割引率についてご説明します。例えば、今、100万円もらうのか、1年後、110万円もらうか選んでください。

ここで今100万円をもらう人は、時間割引率が10%以上の人です。心の中で無意識に、今の100万円の方が1年後の110万円より価値が高いと思っています。

一方で、今100万円か?1年後105万円か?この中で1年後105万円を選ぶ人は、時間割引率が5%以下の人です。無意識に1年後の105万円の方が価値が高いと思っています。前述の人より時間割引率は低いということになります。

時間割引率が低い人は、我慢強く将来のためにお金を残す計画性を持ち合わせています。つまり、貯蓄率を高める素養があります。

言語で変わる貯蓄率の高い国

実は、貯蓄率が高い国は、言語的な特徴があることが知られています。時間割引率が低い国民は、貯蓄率が高い国民という傾向がありそうだなと想像できましたよね。個人という枠から国という枠で壮大なテーマになりますが、ご紹介します。

貯蓄率が高い国は、ある要因によって4.7%ほどの違いが生まれていると推計されています。

それは「言語」です。

時制表現がない言語の方が、貯蓄率は高くなる傾向にあるそうです。時制表現のない言語のひとつが日本語です。反対に時制表現がある言語は、英語です。

例えば、日本語では、現在「今日は、暑い」⇒未来「明日は、暑い」ですが、英語では現在「Today is hot.」⇒未来「 Tomorrow will be hot.」のように、英語ではwillという時制表現があります。

英語のように時制表現があると「未来の自分は未来の自分」「今は、今」というように無意識に心の中で今と未来を区切って考えてしまいがちになります。

反対に日本語は、時制表現がないため今日のことも明日のことも一緒の表現なので、未来のことを今の自分に重ねやすいです。その結果、未来のことを今リアルに感じやすいため、日本人は時間割引率が低く、貯蓄率は高くなる傾向にあるわけです。

2023年の貯蓄率の高い国ランキングでは、日本は20位になっています。1位中国、2位スイス、3位スウェーデン、4位ハンガリー、5位チェコ、6位ルクセンブルクと続きます。

1位~3位の中国(中国語)、スイス(メインのドイツ語)、3位(スウェーデン語)には、時制表現がありません。今と未来を区切りなくリアルに感じられるので、貯蓄率が高いのではないかというのも全くのウソとは思えません。

各国の経済状況などにもよりますので、言語が貯蓄に与える影響の全てではないと思いますが、そういった見方もできるのではないかと思います。

FIREするなら未来のことをリアルにイメージすることが大事

これまでの話で、日本語のように時制表現がない国は、言語が強制的に未来のことを今の自分にイメージさせるから、未来の重要度が増して時間割引率が低くなり、貯蓄率が高まる傾向ということでした。

つまり、未来の資産額とそれに応じた生活を「今」イメージし続けることが貯蓄率を高めるためにとても重要だということでしょう!

例えば、生活費200万円/年で20年後にFIREしたいなら、20年後に5000万円の資産を4%の利回り運用できればFIREできる。20年後に5000万円貯めるには、毎月14万円をオルカンに投資をして、平均4%の利回りで運用できれば達成できる。

このようにイメージする未来から逆算して、今のリアルを生きなければなりません。皆さん未来をリアルにイメージし続けましょう!

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